平成10年度科学研究費補助金実績報告書(研究実績報告書)

1.機関番号 13102

2.研究機関名 長岡技術科学大学

3.研究種目名 基盤研究(B)

4.研究期間 平成10年度〜平成12年度

5.課題番号 10555229

6.研究課題名 セラミックス膜と樹脂基材のシナジー

7.研究代表者 斎藤秀俊 工学部 助教授

8.研究分担者 大塩茂夫 工学部教務職員

木下秀雄 旭化成工業株式会社 樹脂開発・技術センター 副参事

吉村 功 旭化成工業株式会社 製品技術研究所 室長

9.研究実績の概要

 大気開放型化学気相析出(CVD)法により酸化物膜を樹脂基材に析出させた。研究目的は酸化物と樹脂の双方の特徴を互いに共生(シナジー)させながら、高度に特性が制御された材料を創出することである。初年度は密着性のよい接合の得られる酸化物膜と樹脂基材の組み合わせを調査した。

 本年度で選択された2つの酸化物はチタニアとシリカである。大気開放型CVD装置を用いて、チタニアはチタン酸イソプロピルから、シリカはシリカエトキシドから成長させた。また樹脂基材にはアクリル(PMMA)とポリカーボネート(PC)シート(2mm)およびフィルム(100?m)を準備した。チタニアとシリカともシートおよびフィルム上で1?m程度の膜厚を有する膜を形成した。原料の加水分解には気相中での加熱が必要になる。チタン酸イソプロピルは200-300℃、シリカエトキシドは300-400℃でノズルから大気に開放されなければならない。開放された原料は空気中で加水分解および冷却されながら水酸化物を形成すると考えられる。それらが80-100℃に加熱された樹脂基材上で一部脱水をおこしながら、膜を形成する。膜の堆積速度はおおよそ10-50 nm/sと比較的高速である。

 作製条件によるPCとチタニア膜の密着性マッピングまで終了した。チタニア膜は基板温度80℃以上で比較的高速に堆積する。ノズルからの開放温度が300℃未満であると密着性のよい平坦な膜が堆積するのに対し、300℃以上では粉様の機械的に軟質な膜が堆積する。気相での加水分解あるいは脱水の程度が堆積膜の質を決定するようである。次年度は膜質や密着性を決定する要因を調査する。

 

成果報告

1.「大気圧CVD法によって低温度基板上に形成された酸化物膜」高山浩一、田中教雄、大塩茂夫、齋藤秀俊、平成10年度第11回日本セラミックス協会秋季シンポジウム予稿集 p.169.

2.高山浩一、田中教雄、大塩茂夫、齋藤秀俊、岩渕昌義、安田和治、平成10年度日本セラミックス協会年会予稿集 p.xxx.

H11報告書

 

C齋藤秀俊