平成5年度科学研究費補助金実績報告書


研究機関名  茨城大学
研究種目名  奨励研究A
課題番号   05855104
研究課題名  新超硬化合物菱面体B4Nの基礎特性
研究組織
 研究代表者 斎藤秀俊(茨城大学工学部助手)
   研究分担者 なし

研究実績の概要
 真空ベルジャー内にタングステンフィラメントを装着した科学蒸着(CVD)装置を用いてB4N結晶膜の作製を試みた。原料にはBCl3、NH3およびH2を用い、これらを1800C程度に加熱された熱フィラメントで分解反応させ、六方晶BN上に結晶として析出させた。基板は熱フィラメントにより約1000Cに加熱された。実験中のガス圧力および合成時間は70torr、1時間一定に保たれた。
 基礎実験としてBCl3+H2を原料としてホウ素結晶の合成を試みた。BCl3およびH2の流量は18sccmならびに30ー240sccmとした。すべての試料で大きさ50mmの板状の結晶が得られた。特にH2流量70sccmの時、結晶の収率が最大となった。X線回折の結果、基板からのhーBNに対応する強い反射と比較的弱いタングステンの反射が観測された。堆積した結晶からの回折線は弱くそれらの同定には至らなかった。しかしながら光電子分光分析(ESCA)結果は飼料表面の大多数がホウ素で酸素、窒素ならびにタングステンはわずかに存在することを示した。さらに一般的にホウ素結晶は板状ならびにウイスカー状で得られるので、得られた結晶がホウ素であるといえる。
 H2流量70sccm一定にしてNH3の流量を20sccmまで変化した。堆積物に変化が現われるのはNH3流量が8sccmのときである。流量がそれ以下のときは黒色の堆積物が得られた。それ以上で堆積物は白色を呈した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いると黒色の堆積物は明確な結晶晶癖をもたないnmオーダーの微細粒子の集まった膜であることがわかった。白色物質は層状に堆積したものであった。ESCAの結果から、すべての堆積物は地っかホウ素であることがわかった。特に黒色微細粒子膜はホウ素がリッチなBxNであることが明らかとなった。しかしながら、目標とするB4Nの明確な結晶粒は得られなかった。

結果の公表
題目  「プラズマCVD法による硬質アモルファス窒化ホウ素膜の作製」
著者   斎藤秀俊、佐藤淳、石黒孝、鎌田喜一郎、一ノ瀬幸雄
雑誌名  日本金属学会誌 第60巻 第5号 (1996)476ー481

 

c齋藤秀俊